Feedback like a mirror 鏡(かがみ)のようなフィードバック (Patreon)
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『Vocabulary』
フィードバック:Feedback
あの先生のフィードバックはすばらしい That teacher’s feedback is great
ねぐせ:Bed head
彼はいつもねぐせのまま学校に行く He always goes to the school with bed head
鏡 かがみ:Mirror
人は鏡を見たときに自分でわるいところをなおす People correct themselves when they look in the mirror
『Script』
『1』
良いフィードバックをするというのはむずかしいですね。わたしもこれについてよく考えます。どういうフィードバックをしたら、その人にとって良いのかな、のように考えます。あなたは、人にフィードバックをするとき、どんなフィードバックをしますか?あるいは、どんなフィードバックをしてほしいですか?
多くの人は、自分の考えをフィードバックをします。みんな「わたしはこう思う」とか「ここが良くないから直したほうがいい」と言いますね。しかし、じつは良いフィードバックというのは、自分の考えをあまり言わないようです。良いフィードバックというのは、鏡(かがみ)のようなフィードバックです。鏡(かがみ)Mirrorのようなフィードバックです。
でも、自分の考えをフィードバックしなくてもいいのでしょうか?わたしたちはみんなちがいますから、それぞれの考えを教えてあげたほうがいいのではないでしょうか?そのように思う人もいるでしょう。でも本当は、そんなことをしなくてもいいんですね。ほとんどの人は、鏡(かがみ)を見るだけでも、自分のわるいところをなおすからです。
『2』
たとえば、あなたも外に出るときにはいつも鏡(かがみ)を見てから家を出るでしょう。今日は寝(ね)ぐせがついていないかな?と鏡(かがみ)をチェックしたり、顔を洗ったり、メイクをしたり、ひげをそったりします。鏡(かがみ)を見ることで、自分がどのように見えているかを確かめます。
そのときに、なにかわるいところを見つけたら、どうしますか?自分でなおしますね。たとえば、寝ぐせがついていたらなおします。寝ぐせというのは、Bed headのことで、髪が変になってることです。寝ぐせを見つけたら、なおしますよね。服にゴミがついていたら、それを取ります。シャツが半分だけズボンに入っていたら、それもなおすでしょう。これは、どんな人でもやります。鏡で見て自分で気づいたら、自分でそれをなおします。
つまりわたしたちは、わるいところを見たら、自分でそれをなおすんですね。髪(かみ)が変だったらなおしますし、服が変だったらなおすわけです。服にゴミがついているのを鏡(かがみ)で見たのに、そのまま家を出てデートに行く人はいません。
フィードバックというのはこういうものです。べつに、鏡(かがみ)は「これが良い」とか「これがわるい」なんて言いません。「ここはなおしたほうが良いと思う」とか「これはダメだと思う」とも言わないですよね。鏡がそんなことを教えてくれたらこわいです。
でも鏡(かがみ)はとても役にたちます。なぜなら、あなたがどのように見えているかを、そのまま見せてくれるからです。そのまま見るだけでも、人は自分をなおします。フィードバックにひつようなのはこれです。
『3』
人は鏡(かがみ)がないときには、自分がどのように見えているのかがわかりません。だから変なことをしたり、まちがったことをしたりします。でもそのときに自分の姿が見えると、はずかしいと思います。はずかしいと思うと、やめるんですね。もっと良くしたいと思ったら、自分を良くします。
そもそも、わたしたちは人になにかを言われるのがいやですね。お母さんに「掃除(そうじ)しなさい」と言われても、掃除したくないんですね。でも友達のきれいな家に行って、自分の部屋が汚いことがわかると、自分で掃除をします。あるいは、デートに行く相手が家に来るとなったら、がんばってきれいにします。それは、自分で「この部屋は掃除したほうがいい」ということに気づいたからですね。
「人にフィードバックをするのがむずかしい」と思っている人もいるかもしれません。「自分の子どもにどのようにフィードバックしていいのかわからない」とか、「生徒にどのようにフィードバックをしていいのかわからない」とか。たしかに、これはむずかしいですね。でもそのときはむずかしいことは考えないほうがいいと思います。フィードバックをするときは、鏡のようなフィードバックをしてあげればいいでしょう。
『4』
では、自分の考えや、アドバイスは、いつしてあげればいいのでしょうか?アドバイスは聞かれたときにすればいいと思います。「これはどうしたら良いと思いますか?」とアドバイスを聞かれたときに、自分の考えを話してあげればいいでしょう。聞かれてないことは言わなくてもいいんですね。
だから、「ゴミがついてるよ。だからゴミを取ってください」なんて言わなくてもわかります。「ごみがついてるよ」とだけ言えば、たいていの人は自分でゴミをとります。取ったほうがいいですよなんて言わなくてもいいんですね。でも多くの人は「ゴミをとったほうがいい」と言うことをがんばってしまいます。それで、「なんで話を聞かないんだ」と言って、怒っている人もいますね。
でも本当は「その服かっこいいね。だから毎日着てください」なんて言わなくていいですね。「その服かっこいいね」とだけ言えばいいです。そして自分でその服をかっこいいと思ったら、よくその服を着るでしょう。
良い先生は鏡(かがみ)のようなフィードバックをします。わるい先生は、自分の考えばかりを話すでしょう。もしフィードバックをすることがあったら、鏡のようなフィードバックが役に立つかもしれません。
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今日の話はどうだったでしょうか?フィードバックというのはむずかしいですね。だからこそ、まずはそのままフィードバックするのが良いと思います。鏡のようなフィードバックですね。